ミヤマガラスの鼻毛がすごい?野鳥の会支部長が鼻毛の秘密を暴露する

チチクラゲ
グーテンモルゲン。チチクラゲです。日本野鳥の会で徳島県支部長を務めていた、鳥大好き人間です。

ところでみなさん、鼻毛はなげはちゃんと整えていますか?私はときたま出ています。

そんな気になる鼻毛ですが、鳥の中にも鼻毛が生えている種類があります。

ミヤマガラスも鼻毛が生えている鳥です。特に変わった鼻毛の性質をしているので、是非見ていってください。他にも、ミヤマガラスの名前の由来や、夫婦仲についても書いていこうと思います。

ミヤマガラスについて

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラス。撮影チチクラゲ。

ミヤマガラス(カラス科)Corvus frugilegusは全長47㎝で、ハシボソガラスよりわずかに小さい鳥です。

大陸で繁殖し冬鳥として全国各地に渡来しますが、局地的です。主に農耕地に棲みます。

ミヤマガラスの鼻毛

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラス。撮影チチクラゲ。

一般的に鳥の「鼻毛」というのは、人間でいう鼻の中にある毛ではなく、くちばしの基部(額に近い部分)に生えている毛のことを指します。

ミヤマガラス。鼻毛。徳島県。
ハシボソガラスの鼻毛と鼻の穴。撮影チチクラゲ。

こんな感じで、ハシボソガラスの鼻毛はボーボーですね。

 

続いて、ミヤマガラスのくちばしをご覧ください。

ミヤマガラス。鼻毛。徳島県。
ミヤマガラスのくちばし。鼻毛が抜け落ちて、白くなっている。撮影チチクラゲ。

ミヤマガラスの鼻毛はごっそりと抜け落ちて、基部が白くなっています。

これは、鼻毛がもともと生えていない訳ではありません。ミヤマガラスが若鳥の頃には鼻毛はボーボー生えており、くちばしが黒く見えます。

しかし、ミヤマガラスが成鳥になると、なぜか鼻毛が抜け落ちてしまい、くちばし基部の皮膚が露出するために白色になるのです。

チチクラゲ
ミヤマガラスの鼻毛は、成鳥するとなぜ抜け落ちるのか?また、鼻毛が抜け落ちることでミヤマガラスにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?不思議ですが、見習いたいです。

ミヤマガラスとハシボソガラスのくちばしの違い

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラスの群れ。撮影チチクラゲ。
チチクラゲ
以前に、野鳥に興味を持つ方々からミヤマガラスを撮影したとの情報を得て、写真を見せてもらったことが数回ありました。

その写真を見ると黒いくちばしの基部が白っぽく写っていました。

さきほど述べた通り、ミヤマガラスの成鳥は、くちばしの基部が白っぽく、これが重要な識別ポイントとなります。

ところが、その写真をよく見ると、くちばしの形がハシボソガラス形であることに気付きました。

  • ハシボソガラスのくちばしは、上くちばしの先に近い所で、下にカーブしています。
  • ミヤマガラスのくちばしは、カーブがゆるく直線的で尖って見えます。
ハシボソガラスとミヤマガラスのくちばし
ハシボソガラス(上)とミヤマガラス(下)のくちばし比較。撮影チチクラゲ。

 

結局、その人の写真に写っていたのは、ハシボソガラスでした。

くちばしを目を凝らしてよく見ると、くちばしが白く見える部分は、採餌さいじ中に付いた泥が乾いて白く見えているのだということが分かったのでした。

チチクラゲ
野鳥の識別をするには、複数の識別ポイントをチェックすることが大事ですね。

ミヤマガラスという名前

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラスの群れ。撮影チチクラゲ。

 

ミヤマガラスは、「深山みやま烏」または「深山みやま鴉」と書きます。奥深い山のカラスという意味です。

 

チチクラゲ
私はこの名前を知った時、疑うことも無くこの鳥は深山幽谷しんざんゆうこくに棲むものだと思っていました。つまり、冬は平地にいても夏季の繁殖期は奥山に戻って棲むのだと信じていました。

 

ところが、ある時ミヤマガラスという名前と実態に大きなギャップがあることを知りました

 

かつて(1974年4月)、デンマークのボーンホルム島(Bornholm)の農家(Holmさん宅)で数日お世話になった事がありました。

「バルト海の宝石」と称されるのどかなこの島は、島全体が平らな感じで小麦畑や牧草地が広がっていました。デンマーク産ブルーチーズの本場でもあります。

 

Holmさん宅も広々とした牧草地や農耕地に囲まれて乳牛を24頭飼育していました。Holmさん宅に到着早々、周辺を散歩していると小さな木立に群れるカラスが目に入りました。

何をしているのか不思議に思い近づいてみると、木々の梢近くに沢山の巣がありました(写真)。

ミヤマガラス。デンマーク。
ミヤマガラスとその巣 1974年4月28日 デンマーク・ボーンホルム島。撮影チチクラゲ。
ミヤマガラス。デンマーク。
ミヤマガラスとその巣 1974年4月28日 デンマーク・ボーンホルム島。撮影チチクラゲ。

 

あたかもサギのコロニーのように巣と巣は隣接しており、3~4個の巣が掛かっている木もありました。巣は全部で十数個あり、見上げるといくつかの巣では抱卵中と思われる親鳥のくちばしや尾羽の先がのぞいていました。

 

チチクラゲ
私はここで初めてミヤマガラスが、実は深山みやまに棲むカラスではなく、広々とした農耕地の中にある平地林で繁殖し、深山みやまとは全く縁遠い鳥であるということを知りました。

 

以後、私は二つの疑問を抱くようになりました。

ミヤマガラスの2つの疑問

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラス。撮影チチクラゲ。
一つ目の疑問は、平地に棲むこのカラスになぜ「ミヤマ=深山」の名前が付けられたのか?ということです。

ミヤマガラスの名前が文献に現れ始めたのは江戸時代前期からです。

その頃はミヤマガラスといえばブッポウソウを指していたようです。ブッポウソウは山や森に棲んでいます。

深山みやまに棲むブッポウソウを、昔人が深山みやま烏と呼ぶのは、この鳥の生態と、カラスに似た鳴き声から、なんとなく理解できます。

仏法僧ぶっぽうそうの鳴き声

 

ミヤマガラスの鳴き声

 

けれども、その名前がなぜ現在のミヤマガラスを指すようになったのか、その由来が知りたくて幾つかの文献をひも解いてみました。

しかし、残念ながら明解な記述は見当たりませんでした。

 

 

二つ目の疑問は、近代の鳥類学者たちが日本産鳥類の標準和名を定めた際、名前と実態があまりにも食い違っているこのカラスを、なぜ「ミヤマガラス」と命名したのか?ということです。

因みに、福岡県や佐賀県ではミヤマガラスを「ワタリガラス」と呼んでいます。

チチクラゲ
これこそ適正な和名であるように思えます。

 

なぜならば、日本のカラスの中で最も多く渡来してくるのが、ミヤマガラスだからです。全国各地に渡来します。

今からでもワタリガラスに改名すれば良いと思うのですが、すでに「ワタリガラス」と名付けられたカラスがいます。

しかし、その「ワタリガラス」は、名前の割に渡来する数が少ないのです。

「ワタリガラス」は北海道北部に冬鳥として少数渡来する程度です。ミヤマガラスの方が圧倒的に多数渡来します。

ワタリガラス

 

チチクラゲ
ワタリガラスは、日本のカラス類中最大なので「オオガラス」と改名するのが良いのでは、と私は考えています。

 

つまり、

  • ミヤマガラス → ワタリガラスに改名
  • ワタリガラス → オオガラスに改名

がしっくりくる名称だと思います。

ミヤマガラスの愛のカタチ

ミヤマガラス。徳島県。キス。
キスをするミヤマガラスの夫婦。撮影チチクラゲ。

 

ミヤマガラスの夫婦は仲が良いことで知られており、キスをしたり、夫婦寄り添って眠ることがあります。

チチクラゲ
他の種類のカラスも、くちばしで相手の羽毛を撫でたりすることはあります。しかし、キスをするほど夫婦仲が良いカラスは、ミヤマガラス以外に見たことがありません。
ミヤマガラス。徳島県。キス。
やはりキスをするミヤマガラスの夫婦。撮影チチクラゲ。

 

チチクラゲ
素晴らしいことですね。

ミヤマガラスと徳島県

ミヤマガラス。徳島県。
ミヤマガラスの群れ。撮影チチクラゲ。

 

ミヤマガラスは、九州には以前から冬鳥として毎年渡来していましたが、その他の地域では稀な鳥でした。最近は渡来数が増えて主に西日本に冬鳥として各地で見られるようになりました。

徳島県でも1987年までは確かな観察記録がありませんでしたが、1987年に初めて観察されたのを皮切りに、現在は鳴門市から阿波市あたりまで、主に吉野川北岸沿いの農耕地で冬季普通に見られます。

まとめ

ミヤマガラスについてのまとめです。

  1. 鼻毛が成鳥になると抜け落ちて、くちばしの基部が白くなる。
  2. くちばしは直線的で尖っている。
  3. ワタリガラスに改名してみれば?どう?
  4. 夫婦仲が抜群に良い。
  5. 徳島県でも結構見られるようになってきた。

 

次回は、カルガモです。

チチクラゲ
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