今回はセグロセキレイについてです。
セキレイは日本を救った鳥として、正史にも記されているすごい鳥です。また、セグロセキレイの名前の由来についても述べましたので、良かったら読んで下さい。
セグロセキレイとは
セグロセキレイ(セキレイ科)Motacilla grandis は、全長21cmでスズメよりやや大きい小鳥です。
九州以北の河川や農耕地に留鳥として生息します。日本特産種です。
日本を救ったセキレイ
日本に伝存する最古の正史「日本書記」によると、
イザナギ(男神)とイザナミ(女神)の2神が地上(淡路島)に降りて結婚したが、子孫を残す方法が分かりませんでした。そこへ、セキレイが現れて交合を教えたとあります。
結果として、日本国土を形づくる多数の子をもうけ、その中には淡路島・隠岐島からはじめ、やがて日本列島を生み、更に山・海など森羅万象の神々を生んでいきました。
つまり、セキレイがいなければ、日本人どころか、日本の土地自体なかったのです。実はとてもすごい鳥なのです。
日本でよく見られるセキレイにはセグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイの3種があり、このセキレイがどれであったのかは分かりませんが、セキレイ類は尾羽を上下にひょいひょいとよく振り動かします。
このことから、セキレイを「とつぎおしえどり」という古名もあります。
淡路島のイザナギ神宮では、神前結婚を執り行う際に巫女たちが舞う神楽には、セキレイ尾振りを示唆するしぐさが観られます。
セグロセキレイの名前の由来
セグロセキレイの漢字表記は「背黒鶺鴒」です。
『図説日本鳥名由来辞典』(注)によると、セグロセキレイという名前が現われたのは、江戸時代中期であるそうです。
(注) 菅原 浩・柿澤亮三 (1993)『図説日本鳥名由来辞典』(柏書房)
チチクラゲの提案!セグロセキレイの改名案
なぜならセグロセキレイの黒い部分は顔、胸、背など上半身が黒く、背だけが特に黒いわけではありません。
従って本種の特徴をよく表した名前とはいえないと思うからです。
さらに、ほぼ同環境に棲むハクセキレイも背は黒っぽく見えることが多く、特に雄の夏羽はセグロセキレイにそっくりです。強いて云えば、頬が黒いか白いかの違いだけです。
鳥見ビギナーからは、「これら2種類のセキレイはどこで識別するのですか」、との質問をよく受けます。
そこで私は、次のように和名変更をすると良いのではと考えています。
即ち、「背黒」を改め「顔黒」とし、「カオグロセキレイ」とするのです。
こうすれば鳥見ビギナーも、鳥の顔を見るだけでこの2種を容易に楽しく識別できるはずです。
まとめ
セグロセキレイについてのまとめです。
- 日本特産種。全長21cmでスズメよりやや大きい。
- セキレイは、イザナギとイザナミの先生。日本誕生に多大なる貢献をした。
- 名前の由来:背が黒いから。セグロセキレイ。
- チチクラゲが唱える改名案:顔が黒いことが特徴的なので、カオグロセキレイが良いのではないか。
次回は、ウです。