カルガモの可愛いヒナ。しかし見るたびに数が減っていくのはナゼ?

チチクラゲ
みなさん今回も見てくれて本当にスパスィーバ。日本野鳥の会で徳島県支部長を務めていた、チチクラゲです。

今回はカルガモ(軽鴨)についてです。

カルガモの親がヒナを連れて歩く姿はとても愛くるしい光景ですよね。

しかし、観察を続けるうちに、見る見るうちにヒナの数が減っていってしまいます。

その悲しい現実がなぜ起こるのか?

カルガモ家族に潜入捜査を試みましたので是非ご覧ください。

 

また、カルガモ(軽鴨)は軽くも無いのに、なぜ軽鴨なのか?

カルガモの名前について新説を書いていきます。

 

カルガモについて

カルガモ。徳島県。
カルガモ♀♂ 2015年4月15日 徳島市上八万町花房・園瀬川。撮影チチクラゲ。

カルガモ(カモ科)Anas zonorhynchaは全長61㎝で、全国の河川、湖沼、水田などに留鳥として棲みます。

カルガモは全国で見られる最もポピュラーなカモの一種です。春になると、川岸の草むらや田んぼの岸に巣を作ります。時に、水辺からかなり離れた山林に巣をつくることもあります。

 

カルガモのヒナ

カルガモ。徳島県。
カルガモ親子・徳島県、向寺山・星河内谷川。撮影チチクラゲ。

カルガモは子沢山で、10~13個もの卵を産みます。卵は27日前後で孵化します。そのヒナたちをメス親が水辺に連れて出て、エサの採り方を教えます。

移動する時は、メス親の後に尻尾のように、ヒナたちがずらりと並んで付いていきます。

その姿は大変愛らしいのですが、日がたつにつれ、ヒナの数が一羽二羽と減っていきます。

そして三か月ほどするとヒナは親鳥とほぼ同じ大きさになりますが、この時には既にヒナの数が3~5羽にまで減っています。

 

※閲覧注意!!カルガモの天敵

ヒナの数が減ってしまうのは、イタチやヘビなど天敵に食べられてしまうからです。

これより下の画面には、シマヘビ、アオダイショウの写真があります。
ヘビが苦手な方はこのページから離れてください!
(でもイタチの可愛い写真もあるよ!)

 

カルガモの天敵イタチ
カルガモの天敵イタチ。撮影チチクラゲ。
カルガモの天敵シマヘビ。
カルガモの天敵シマヘビ。12月中旬。全長50㎝。撮影チチクラゲ。
カルガモの天敵シマヘビ
カルガモの天敵シマヘビのご尊顔。撮影チチクラゲ。
カルガモの天敵アオダイショウ
カルガモの天敵アオダイショウ(若い)。全長1m。撮影チチクラゲ。

 

メス親はヒナを守るために孤軍奮闘するのですが・・・力及ばず、天敵の餌食になってしまうことがよくあります。

チチクラゲ
かわいそうですが、これが自然の掟です。

イタチやヘビたちも地球上で生きる権利があるとすれば、彼らのエサであるカルガモのヒナを食べることで、彼ら自身の子供を育てなければならないのです。

 

黒くないのにクロガモ?タグロ?

カルガモ。徳島県。
カルガモ♂・徳島県、川内町富久。撮影チチクラゲ。
チチクラゲ
ここからは、カルガモの名前の由来について書きます。

カルガモは江戸時代から “かるがも” “なつがも” などの名で知られていました(注)

これとは別に各地方でクロガモタグロなどと方言名で呼ばれていました。徳島県でも古老はカルガモをタグロと呼んでいました。

「クロ」が付くのはカルガモの体色が黒ずんでいるからのようですが、私には他のカモよりカルガモが特段黒く見えるとは思えないので、どうも釈然としません。

(注) 菅原 浩・柿澤亮三 (1993) 『図説日本鳥名由来辞典』(柏書房)

 

軽くないのに「軽鴨」?

カルガモ。徳島県。
カルガモ2007.1.8.徳島県、出島野鳥園。撮影チチクラゲ。

さらに不可解なのは、カルガモという和名の由来です。

カルガモを漢字で「軽鴨」、すなわち軽い鴨と書きます。

ところがカルガモの体重は900~1,350gもあり、全長も60cmを超えてマガモの約59cmをしのぎます。

マガモ属(日本産11種)の中では最大級です

このように決して軽い鴨とは言えないのになぜ「軽鴨」と命名されたのでしょうか。不思議です。

 

新説!カルガモの名前の由来

カルガモ。徳島県。
カルガモ。撮影チチクラゲ。
チチクラゲ
私はカルガモの語源が「雁鴨かりがも」に由来するのでは、と考えています。

その理由は、次の通りです。

  1. カルガモの体色は一見すると雁(カリ)の体色によく似ています。特にヒシクイはくちばしの先に黄色斑があり、カルガモのそれに符合します。
  2. 鴨の仲間では、たいてい雌雄の体色が異なります。ところが、カルガモだけは雌雄がほぼ同色です。雁の仲間もカルガモに似てどれも雌雄がほぼ同色です。
カルガモ。徳島県。
雁の仲間ヒシクイ。2020.10.18.・徳島県、吉野川河口。撮影チチクラゲ。
ヒシクイとカルガモ。くちばしが似ている。
ヒシクイ(上)とカルガモ(下)のくちばしの先の黄色斑が良く似ている。

これらの共通点から、カルガモをかりに似た鴨という意味を込めてカリガモと呼び、これが訛ってカルガモと呼ばれるようになったと考えられます

 

まとめ

カルガモ。徳島県。
カルガモ♂♀・徳島県、花房鶴熊。撮影チチクラゲ。
カルガモ。徳島県。
カルガモ。徳島県、星河内。撮影チチクラゲ。

 

カルガモについてのまとめです。

  1. 卵を10-13個産むけど、生き残るのは3-5羽程度。
  2. ほとんどはヘビやイタチなどの天敵に食べられちゃう。ヘビにも生きる権利があるので仕方なし。
  3. カルガモは軽く無い。雁に似てる所が多いので、元々の名前は「雁鴨」だったのではないか?

 

次回はノスリです。

チチクラゲ
お楽しみに!ハラショーセルゲイッ