【ブレイキングダウン】なぜ飯田将成をファンは見捨てなかったのか。 敗戦後も人気が続く意外な理由

今回は、「なぜ飯田将成(まさなり)選手の人気が落ちないのか」について解説をしていきます。

飯田将成選手は、ブレイキングダウン5に出場し、強豪にっけん君に圧勝。

 

鍛え抜かれた肉体と、甘いマスクで一躍時の人となりました。

にっけん君に勝利した直後のインタビューでは落ち着き払って、

「キャラだけ良くても、強くないと意味ないんで」と、実力で成り上がることをアピールしていました。

 

しかし、ブレイキングダウン6にて、啓之輔選手にまさかのKO負けを喫します。

実力者として名を上げていくはずだったのでしたが、2戦目で敗北。

本来ならばファンから見捨てられても良いはずですが、ご存知の通り人気が落ちるどころか、益々人気が上がっています。

敗戦から1週間後、大阪に着いた飯田将成選手を大勢のファンが取り囲みました。人気はむしろ絶頂を迎えているような印象すらあります。

なぜ飯田将成選手は人々の心を掴んで離さないのでしょうか?

以下で解説していきます。

 

本来なら勝っていた論

11月3日、ブレイキングダウン6にて行われた「飯田将成 vs 啓之輔」戦。

飯田将成選手は序盤からラッシュを仕掛け、わずか10秒でスタンディング・ダウンを奪います。

しかし、この「スタンディング・ダウン」を1分間ルールで取る必要があったのか?という疑問の声が視聴者の間で噴出しました。

まだ大きくふらついてもいない啓之輔選手、そしてわずか10秒。止めるのが早すぎたのではないか?と、レフェリングに対する批判がありました。

本来ならば飯田将成選手が啓之輔選手をそのままKOしていたはず、という意見も沢山ありました。

 

そんなこともあり、この試合で「飯田将成選手が啓之輔選手より格下になった」という印象を抱いたファンは少なかったのかもしれません。

この敗戦で飯田将成選手の評価が大きく落ちることはありませんでした。

これがもし、飯田将成選手がダウンを奪えず、一方的に攻撃をもらってKO負けをしていれば、多くのファンは失望していたと思います。

お互いの見せ場を作りつつ、本来は勝っていた論が出るくらいの名勝負となったことで、飯田将成選手は人気を保つことができたのではないかと考えます。

 

魅力的なファイトスタイル

飯田将成選手の人気を支えているのは、その豪快なファイトスタイルにあると思います。

ブレイキングダウンにおいては、後ろに下がったり、組みついたりすると印象が悪くなります。視聴者はどちらかが倒れる姿を見たいと思っているはずです。

そのため、キックを放つことすらも視聴者受けは悪いと思います。的確に顔面を打ち抜くパンチこそ視聴者が求める映像だと思います。

それを体現しているのが飯田将成選手でしょう。

飯田将成選手は、ウェルター級の日本ランカーにたった3年で上り詰めたハードパンチャーです(KO率約8割)。まさにブレイキングダウンにうってつけの実績と実力があります。

そして、飯田将成選手自身も盛り上げ方を誰よりも理解しています。

 

飯田将成選手は、「判定で勝っても、ただ勝つだけではダメだ」と語っています。「判定で勝つだけなら強い選手にもある程度勝てると思うけど、KOしなければ注目されない」と話し、派手に勝つことの重要性を知っていました。

一方で、「倒しにいこうとすればするほど、大ぶりになる。相手からももらいやすくなる。体重80kg なので一発もらうと危ないと思う」と、KO決着には大きなリスクを伴うことも前々から理解していました。

それでも出来るだけフルスイングで戦いたい」と述べており、KO決着以外は眼中に無い旨の発言をしています。

 

そのため、ブレイキングダウンの2試合とも勝っても負けても派手な試合となり、視聴者の視線を釘付けにしました。

「やるか・やられるか」のスリリングな展開を数十秒で魅せつけた飯田将成選手のファイトスタイルが、視聴者に受けているのだと思います。

 

言い訳をしない潔さ

飯田将成選手は試合後に言い訳をしませんでした。

敗戦の弁では、「ただ自分が弱かっただけ。相手が強かった」と語っており、一切の言い訳や試合分析もしていません。

この潔さがスポーツマンらしくて好感を抱いているファンも多いと思います。

 

実はこの試合は、体重の面では飯田将成選手は不利な状況でした。

啓之輔選手は1kg増量の余裕があり、飯田将成選手は7kg減量の必要があったのです。75kg契約ですが、飯田将成選手の適正体重からするとかなり絞らなければならず、おそらくコンディションは万全とは言い難かったと思います。

しかし、そのようなことは口にせず、実力が不足していたと述べ、応援してくれたファンに謝罪と感謝の気持ちを何度も述べています。

飯田将成選手自身の中では、納得のいかないこともきっとあるのでしょうが、それをグッと堪えて耐える姿が、ファンの心に刺さります。

 

イケメン

ファンを虜にする条件として、選手の容貌は非常に重要です。

これは格闘技に限らず、どのスポーツにおいても容姿が良い選手ほどファンの数が多くなる傾向にあります。

サッカーではベッカム選手がイケメンということで日本でも多くのファンを獲得していたと思います。

ブレイキングダウンにおいても、容姿は重要です。

豪快なKOを連発している川島悠太選手(6勝1敗)は、その試合内容や実績ほどの人気は出ていません(個人的には大好きな選手です)。

川島悠太選手もカッコいいのですが、飯田将成選手の容姿が群を抜いて良すぎるため、このような人気格差になっている可能性があります。

 

怖さと可愛らしさのギャップ

飯田将成選手本人は「キャラだけ良くても、強くないと意味ないんで」と自分にはキャラクター性がなく、実力しかないような発言をしていましたが、実は良いキャラクターをしています。

それが「ギャップの大きさ」です。

鋼のような肉体にタトゥーを彫り、サングラス姿で周囲を威圧しますが、その中身は子供と動物とジブリが大好きな好青年です。

子供と無邪気にはしゃぐ姿や、

 

動物の保護活動に協力したり、

 

ジブリを愛する姿など、

優しくて可愛らしい一面を飯田将成選手は見せてくれます。

 

しかし、ひとたびリングに上がれば鬼のような形相に変わります。

戦士へと豹変し、凄まじい殺気を放ちます。

 

キャラクターを見る際には多面性を知るほうが、視聴者は深く感情移入できます。

ギャップの大きい飯田将成の二面性に心を奪われるファンもいるのかもしれません。

 

 

啓之輔という対戦相手に恵まれた

啓之輔選手に負けたからこそ、飯田将成選手の人気が維持できたと思います。

それは、啓之輔選手が悪役に徹してくれたからです。

啓之輔選手が飯田将成選手を下した直後のマイクパフォーマンス。そこで啓之輔選手は、

「飯田が勝つと思ってたやつバーカ」「お前らアウトサイダーなめんなよ」と発言。

飯田将成選手のファンに向けて強烈なひとことを浴びせたのでした。

 

そして、啓之輔選手はTwitterを更新。

俺が負けると言ってた奴等
ばーかー
と、Twitterでもさらに煽ります。
これに激怒した多数のファンが啓之輔選手を批判。
「何あのインタビュー」「お前飯田さんより弱いだろ」「膝対策されたら何ができるんだろう?リマッチ楽しみにしています」「膝に逃げただけの雑魚。しょぼいしヌルい」「折角感動したのに残念です」などの誹謗中傷が啓之輔選手に送られます。
これを受けて、啓之輔選手はTwitterを閉鎖しようとします。その際にも「ばぁーかー」とツイートしており、さらに炎上。
結果的に啓之輔選手はTwitterを閉鎖はしませんでしたが、あまりに多い誹謗中傷に辟易としていたようです。

 

このように、飯田将成選手のファンと場外戦を繰り広げていた啓之輔選手。

飯田将成選手のファンの中では、啓之輔選手はかなり印象が悪くなってしまったと思います。

ベビーフェイスの飯田将成選手と、ヒールの啓之輔選手という構図が見事に出来上がりました。

このことにより、敗戦した飯田将成選手を叩くファンも少なくなり、ヘイトが啓之輔選手に向くことになりました。

 

啓之輔選手は頭の良い人だと思いますので、あえてヒール役を買っているようにも見えます。

おそらく、飯田将成選手が正統派の善玉キャラであることを察知して、それとキャラクターが被らないように意識していたような気がします。

結果として過激な発言で、試合後もブレイキングダウンの話題性を持続させた啓之輔選手。

悪役に徹してミスターアウトサイダーを地で行く姿はカッコいいなと思いました。

 

ということで、飯田将成選手の人間性やその強さ等が人気を持続させている大きな要因ですが、対戦相手が啓之輔選手だったからこそさらなる人気爆発に至ったのだと思いました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。併せて他の記事もご覧ください。

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