【ブレイキングダウン6】なぜ飯田将成は負けたのか。敗因を分析  vs 啓之輔戦

11月3日、ブレイキングダウン6の本戦が行われました。

メインカードの「飯田将成  vs 啓之輔」戦は高い注目を集めました。

結果的には啓之輔選手の膝が刺さり、飯田将成選手がダウンして終了。

飯田将成選手の敗北となりました。

以下では、なぜ飯田将成選手は負けてしまったのかを解説していきます。

 

序盤は飯田将成選手が圧倒

ゴングが鳴り、ファーストコンタクト。

啓之輔選手は右ローキックを放ちますが、飯田将成選手は右ストレートを合わせて、啓之輔選手の顎が上がります。

それを見逃さず、飯田将成選手は突進しながらパンチを連打します。

端に追い詰めて、飯田将成選手の右ストレートが顔面にクリーンヒット。

パンチで追い討ちをかけます。

 

防戦一方になった啓之輔選手は立ったままダウンを宣告されます。

しきり直した後も、飯田将成選手はパンチを連打。

序盤から中盤にかけて圧倒します。

 

啓之輔選手の強烈な2発の膝

飯田将成選手がこのままKOするのかと思った矢先、啓之輔選手の左膝が飯田将成選手の右脇腹に突き刺さります。

パンチに合わせたカウンターの左膝。

元々、啓之輔選手は膝が得意で、膝を中心に試合を組み立てる選手でした。

 

この試合でもパンチで圧倒されていると見られた場面でも、果敢に膝を連打しています。

そして、タイミングが合ってきたところで、強烈な膝が2発入りました。

 

飯田将成選手は倒れたまま動けず、KO負けとなります。

 

レフェリーはなぜ止めたのか?

この試合の短い時間内に勝負の綾がありました。

上でも述べたように、飯田将成選手の猛攻により、啓之輔選手は立ったままダウンの判定を受けたのです。

 

これはどういうことなのでしょうか?

  • なぜレフェリーは啓之輔選手が立っているのにダウンを宣告して、試合を中断させたのでしょうか?
  • もし立ったまま止めるのであれば、その時点で啓之輔選手の負けとして試合を終了するべきなのではないか?

という疑問が出てきます。

 

このレフェリーの宣告は、「スタンディングダウン」と言います。

文字通り「立ったままのダウン」です。(ちなみにスタンディングダウンは和製英語で、本来はスタンディングカウントと言います)

 

スタンディングダウンは、「地面に足の裏以外の部分をつけなくても、あまりにも一方的に攻撃を加えられ続けて防戦一方になった場合、レフェリーがダウンしたと扱って宣告すること。」とされており、レフェリーの判断で立ったままでもダウン扱いとすることが出来ます。

 

レフェリーがスタンディングダウン宣告するのが早かったような気もしますが、そうレフェリーが判断したからにはそれに従うのがルールです。

 

攻め急ぎ過ぎた飯田将成選手

最初のパンチがクリーンヒットした瞬間から飯田将成選手はラッシュを止めませんでした。

ブレイキングダウンルールにおいて、このように有利な状態でのラッシュは非常に有効な戦法のひとつでしょう。

しかし、攻められながらも膝を連打してタイミングをはかっていた啓之輔選手。

 

最後はパンチにカウンターの膝が入ります。

おそらく飯田将成選手が、ローキックやミドルキックなど、パンチ以外の攻撃で目線を散らしたり、距離を取った戦法も取り入れると、啓之輔選手の膝はかなり合わせづらくなっていたのかもしれません。

至近距離からのパンチ一辺倒では、見切られてしまいやすいものです。

 

並大抵の選手ならば一瞬で飯田将成選手がKO勝ちしていたところでしょうが、ここは百戦錬磨の啓之輔選手に軍配が上がりました。

 

減量と増量と

この試合が決まる前、飯田将成選手は82kgで、啓之輔選手は74kgでした。

そして、75kgでの試合となります。

つまり、飯田将成選手は体重を7kg減量する必要があり、啓之輔選手は1kg増量する余裕があります。

 

当日のインタビューでも、飯田将成選手は「腹が減った」と言い、啓之輔選手は「増量だったので調子が良い」旨の発言をしています。

ちょっと珍しい、減量選手と増量選手の試合です。

コンディションの差もあったのかもしれません。

 

飯田将成選手の試合後の弁

 

試合後、敗北した飯田将成選手は、Twitterを更新します。

 

 

「応援してくれた皆様 本当にすみませんでした。

相手が強くて自分が弱かったです。

またチャンスがあればリベンジして 必ず倒します。

本当にすみませんでした。

応援ありがとうございました。」

 

勝利を目前にしての敗北。

悔しいことも、言い訳したいこともあるでしょうが、素直に相手を称えています。

そして、引退をする訳でもなく、リベンジに燃えているようです。

負けてもさらに応援したくなる選手だと思いました。

 

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