2021年7月2日(金)、オーストラリア人のブルックさんとゾエさん、徳島のOさんが我が家にやってきてくれた。
彼女たちから面白い話がたくさん聞けたので、良かったら見てください!
いきなり泣きそうなブルックさん
ブルックさんに会うのは、今日が2度目。
やってきたブルックさんは高揚していた。今にも泣き出しそうな顔をしていたのだ。
その理由は後ほど分かることになる。
ブルックさんとは
そもそもブルックさんとはどんな人なのだろうか。
名前はブルック・スチ=Brooke Szucs。年齢は24歳。オーストラリア人。
オーストラリアのクイーンズランド大学の学生であり、日本語を専攻している。そのため、流暢な日本語を操ることが出来る。
3年前に南米ペルーのリマ大学に留学して、スペイン語も習得しており、英・日・西のトリリンガルである。
クイーンズランド大学では修士に進んでおり、ペルー留学や日本語専攻の知識を活かして、「ペルーの日系人」という題名で修士論文を現在執筆中とのこと。是非読んでみたい論文だ。
ブルックさんとチチクラゲの出会い
ブルックさんとチチクラゲの出会いは、およそ5年前である。
ケア・フォー・徳島(CFT)という、英語で環境を考える会にチチクラゲは入っており、そこでブルックさんと出会った。
ケア・フォー・徳島(CFT)
ケア・フォー・徳島(CFT)は、外国人を交えて、十数人の日本人が、環境問題などについて、ディスカッションをする会である。
日本人だけの目線ではなく、外国人の考えや、母国の環境問題への取り組み方などの知見が得られる、素晴らしい会だ。
衝撃の異文化体験「Mind the Culture Gap」
ケア・フォー・徳島(CFT)の会員たちは、異文化体験をまとめた本「Mind the Culture Gap」(日英対訳)を出版したりもしている。
この本は後に、四国大学でもスーザン・バロッグ(Susan Balogh)先生のお世話で再版されている。
そして、ブルックさんも、この本に寄稿するとともに、編集にも携わり、表紙や文中のイラストをすべて描いてくれた。
これらはすべてブルックさんのイラストである。大変上手だ。他にもたくさんのイラストが挿入されている。
「I’m fine」は友達をなくす?
ブルックさんが「Mind the Culture Gap」に寄稿した文章も面白い。
簡単に紹介すると、
英語の授業で、「How are you?」に対する適切な返答は「I'm fine」と教えられてきたが、どうもそれは間違いのようだ。
「I'm fine」は、友達やカップルとの言い争いの中でどちらか一方が出ていく時や、あるいは、放っておいてほしいと店員に言うときなどに使われることが多い(少なくとも、オーストラリアにおいては)。
つまり、「I'm fine」は、人を突き放すような言葉なのである。
ブルックさんが、日本人交換留学生のホストファミリーを探す手伝いをしていた時、ある日本人がホストファミリーに対して、「I'm fine」と言ったことで、ホストファミリーを怒らせてしまったのを実際に目撃している。
その日本人になんの悪気もなく、ホストファミリーもまた、親切心を裏切られる言葉を投げられたのだから、怒っても仕方ない。問題があるとしたら、日本の教科書なのかもしれない。
ちなみに、オーストラリアでは、「How are you?」に対して、「I'm very well, thank you」「I'm good, thanks」などを使うのが一般的なようだ。
コロナ禍とブルックさん
脱線した話を戻すと、ブルックさんは一旦帰国していたが、昨年、再来日していた。
これが運悪く、コロナ禍に巻き込まれることとなり、帰国が困難になってしまった。
帰国しようとすれば出来ないことはないのだが、お金がかかるのだ。
片道航空運賃と、オーストラリアでの14日間のホテル隔離生活費を合わせると、なんと約100万円も要するのだ。
結局、日本の知人の家で長期滞在することとなった。
幼稚園児とブルックさん
その期間、ブルックさんは幼稚園児たちの英語教師をしながら、帰国の機会をうかがっていた。
ようやく、7月9日に帰国が決定したのだ。
そして今日(7月2日)、教えていた幼稚園児たちとのお別れ会をしてきたのである。
冒頭で書いた、ブルックさんが今にも泣き出しそうな顔をしていたのは、愛する幼稚園児たちとの別れを経てきたからだった。
「みんなかわいいですーっ!」
ブルックさんは、園児たちのことを思い出しては、涙ぐんでいた。
ゾエさんとOさん
この日、ブルックさんの同僚のゾエ(Zoe)さんと、CFTのOさんも我が家に来てくれていた。
ゾエさんもオーストラリア出身で、ブルックさんと同じ大学の学友だ。
ゾエさんは、7月18日に徳島県国際交流協会主催の日本語弁論大会(郷土文化会館5階)で異文化体験について発表される予定。
ご興味のある方は是非、応援に行ってみて下さい。
ブルックさんの 英語の教え方
彼女たちを心ばかりのケーキとコーヒーでおもてなしをしたが、しばらく会えないと思うと寂しい限りだ。
ブルックさんたちに、「どんな風にして、子どもたちに英語を教えるの?」と尋ねたところ、
「歌とダンスで教えます」と仰る。
頭をさわって「Head」、肩をさわって「shoulder」、胸をさわって「breast」、膝をさわって「knee」……などのように、自分の体の一部を自分で触って、その部位を英語で発音していくようだ。
これにリズムをつけて、踊りながら歌うらしい。
子どもはノリノリで、楽しんで覚えられるとのこと。
昔の英語の教え方とは随分違っている。
↑こういう感じだろうか?たしかに楽しく学べそうだ。
阿波藍マスクとブルックさん
ブルックさんは、ケア・フォー・徳島(CFT)の方たちから、送別会で阿波藍で作ったマスクをもらったらしい。
それがとても気に入っていると、何度もお礼を言ったりして、日本人以上に日本人らしくなっていた。
約束の地
ブルックさんたちともそろそろお別れ。
「コロナが終息したら、きっと、オーストラリアへも来てください」と言ってくれた。
チチクラゲは「もちろん二人で行きます」
と、約束をしたのを、聞き逃すはずがない。
来年あたりには、そんな日がくるのだろうか?
チチクラゲにはとても「期待」している。