今回は新しいパラメーターである「--weird」についての解説になります。
「weird」というのは「奇妙な」「変な」「不気味な」といった意味がある形容詞です。
発音は「wird(ウィァド)」です。
「奇妙な」という意味があるぐらいですから、「--weird」を使用すると、変な画像が出やすくなります。
以下では「--weird」の活用方法についてご紹介していきます。
「--weird」の使い方
「--weird」はパラメーターです。
そのため、プロンプトの最後方に配置します。
「--weird 250」のように、「--weird」の直後に半角スペースを入れて、さらに数値を入れます。
デフォルトの数値は0です。
0-3000までの範囲を取ることが出来ますが、実際に効果的なのは0-1000までの範囲のようです。
※現時点では「--weird」はV5、V5.1、V5.2、Niji 5のみで使用可能です。
weirdを実際に使ってみる
それではweirdを実際に使ってみて、数値によって画像がどう変わるのかを見てみましょう。
テキストプロンプトはいずれも「Nice looking boy wearing a jellyfish hat.(クラゲ帽子をかぶった格好いい少年)」で、それに「--weird」を加えて数値を上げていきます。
--weird 0(デフォルト)
--weird 100
--weird 250
--weird 350
--weird 500
--weird 750
--weird 1000
--weird 3000
「weird」の意味は「奇妙な」「変な」「不気味な」とお伝えしました。
ミッドジャーニー(Midjourney)においては、どちからというと「不気味な」の意味が適当なのかもしれません。
あるいは、Versionを大幅にダウングレードしたようなクオリティの低い画像になりがちです。
ただし、プロンプトによって「--weird」の効果や強さが違うため、色々なプロンプトで試してみるといいかもしれません。
Stylizeと一緒に使用する
ミッドジャーニー(Midjourney)の公式アナウンスにて、以下のような一文があります。
もし--stylizeを--weirdと一緒に使う場合は、両方のパラメーターに同じ値を使うことをお勧めします。
上記のように、「--weird」は「--stylize」と組み合わせると綺麗になるようです。
しかも、「--weird」と「--stylize」の値を同じにすると効果的と書かれています。
※「--stylize」とは、AIの美的感覚をどれだけ反映させるかをコントロールします。数値が高ければAIの美的感覚に沿って画像生成されますが、プロンプトの忠実性は少し低下します。
以下で試してみます。
--stylize 100 --weird 0(デフォルト)
--s 50 --weird 50
--s 100 --weird 100
--s 200 --weird 200
--s 250 --weird 250
--s 350 --weird 350
--s 500 --weird 500
--s 750 --weird 750
--s 1000 --weird 1000
以上のように、確かにstylizeと同値で併用することで、不気味な画像の出現率はかなり抑えられています。
ちょっと変わった画像にするには、stylizeとweirdを同値にして使用するとお目当ての画像が出てくる可能性があります。
カオス(--c)との違いは?
「--weird」と似ていると思われるパラメーターに「--chaos(--c)」がありますが、実際は異なる部分があります。
「--chaos(--c)」というパラメーターは、生成されたグリッド画像が互いにどれだけ多様なものであるかをコンロールします。
「--c値」が高いほど、グリッド画像の内容にバラツキを生じさせます。
デフォルト値は0で、0-100の値を取ります。
「--weird」は、今までのミッドジャーニー(Midjourney)の画像と比較して、どれだけ「異常」なものであるかをコントロールします。
「--weird」の値が高いほど、出力する画像が奇妙・不気味・変になります。
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --ar 16:9」
上図はこれまでと同じテキストプロンプトを使用して、追加で「--c 100(カオス値最大)」を入れて作成しています。
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --weird 3000 --ar 16:9」
こちらは、「--weird」を最大の3000にして作成しています。
- カオス値を最大にして生成した場合は、グリッド内の画像がバラエティに富んでいますが、プロンプトの忠実性はほとんど失われています。
- 一方で、「weird」を最大にして生成した画像は、プロンプトの忠実性をある程度保ちつつ、一風変わった画像が出力されます(質は低下する印象です)。
--c 100 --weird 3000
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --weird 3000 --ar 16:9」
上図はカオス値とweirdのどちらも最大値にして作成した画像です。
カオス値の影響力は相対的に低下しており、グリッド間の多様性はそれほど見られません。
weirdが最大のため、画像の質は低いままです。
--c 100 --weird 3000 --s 1000
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --weird 3000 --s 1000 --ar 16:9」
カオス値、weird、stylize値のすべてを最大にして画像生成しています。
weirdがstylize値よりも高い数値を取っているためか、画像の質は低い印象です。
--c 100 --weird 1000 --s 1000
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --weird 1000 --s 1000 --ar 16:9」
カオス値とstylize値を最大にして、weirdを1000にしています。
stylizeとweirdの値が同じになると、画像の質がかなり向上することがわかります。
--c 100 --weird 10 --s 1000
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --weird 10 --s 1000 --ar 16:9」
カオス値とstylize値を最大にして、weirdを低めの10に設定して生成した画像です。
綺麗な画像が出力されています。
クオリティを求めるのであれば、weirdはstylize値と同じか、それよりも低く設定した方が良さそうです。
--c 100 --weird 3000 --s 0
プロンプト「Nice looking boy wearing a jellyfish hat. --c 100 --weird 3000 --s 0 --ar 16:9」
カオス値とweirdを最大にして、stylize値を最低にして生成した画像です。
クオリティは最低になります。
以上、「weird」を使って少し実験しましたが、クオリティが低下してしまうので使い方が難しいですね。
今後のアップデートで「weird」の仕様が変更になる可能性は示唆されていますので、誰もが使いやすい機能として実装されてくれると良いと思います。