【ChatGPTで人間同士の会話が無くなる】教育すらも不要となるパラダイムシフトへ

 

岡田斗司夫氏のYouTubeでAIが進歩した未来についての面白い話がありました。

このままChatGPTが進歩していくと、我々人類はどうなるのか?という興味深い話をされていました。

以下で簡単にご紹介してみます。

(参考資料:岡田斗司夫氏のYouTube→サイコパスの人生相談3月増刊号

 

【ChatGPT】人と会っても喋らなくなる

岡田斗司夫氏はショートショートの神様・星新一の作品を例にして、ChatGPTと人々の生活の未来を予想します。

 

肩の上の秘書

星新一の短編集の中に「肩の上の秘書」というお話があります。

その時代は近未来で、あらゆる人間の肩の上にインコが乗っています。

 

主人公は訪問セールスマンで、肩にロボットのインコを止めています。

訪問セールスをするために、ある住宅でインターホンを押します。

 

家の中から奥さんが出て来ます。

セールスマンである主人公は、小さい声で「こんにちは」と不機嫌にしゃべります。

そうすると、肩の上のインコがそれを翻訳して喋ってくれる訳です。

インコは「お忙しいところ突然お邪魔して申し訳ございません。お許しいただきたいと思います」と喋ります。

 

このインコの中には精巧な電子頭脳発生器とスピーカーを備えています。

持ち主のつぶやいたことをさらに詳しく、そして相手に伝える働きをしてくれます。

 

しばらくすると、主婦は小さい声で「あー、めんどくさい」と、主婦の肩の上に乗っているインコにつぶやきます。

そうすると、主婦のインコが喋ります。

主婦のインコは「よくいらっしゃいました。ただ、失礼ですけど、私は物覚えがよくございませんで、お名前を思い出せなくて…」という風に喋ります。

 

主人公のインコは、小さい声で「誰かと聞いてるよ」と主人公に耳打ちします。

相手の言っていることも短くして答えてくれますし、ChatGPTの機能のように要約してくれる訳です。

 

主人公は「電気蜘蛛を買え」と小さく言います。

主人公のカバンの中に入っている電気蜘蛛という商品を買えと、インコに指示したのです。

そうすると、インコは「実は私はニューエレクト会社の販売員でございます。もちろんご存知のことと存じますが、長い間信用誇る会社でございます。ところで今日お伺いしたのは、他でもございません。この度、当社の研究部がやっと完成しました新製品をお目にかけるためのものです。それはこの電気蜘蛛でございます」という風に翻訳して話し出します。

 

しかし、セールスはうまくいかず、主婦は「いらない」とつぶやきます。

すると主婦の肩に乗ったインコは「そんなことは私一人で決めかねて、確かに素敵な商品なんでしょうけど、こういう大きいことは主人に相談いたしませんと…」とやんわりと断ります。

 

主人公は「ちっ、なら帰るよ」と言います。

主人公のインコは「さようですか…」と続けて、穏やかに帰ることを伝えます。

 

 

会社に帰ると、上司が小さい声で喋ります。

上司の肩に乗ったインコは「どうだった?販売は難しのは分かるけれども、君はなかなかデキる男だから期待してるんだ」と主人公に喋ります。

本当は悪口を言っているはずですが、インコは優しく翻訳して喋りかけてくれる訳です。

 

主人公は「こんなの売れないよ」という風に答えます。

すると、主人公のインコは「いや、この商品はなかなか浸透するのが難しいと思って、営業を頑張ったのですが…」と、延々と言い訳をしてくれます。

そんなやり取りがあった後、「仕事が疲れた、もう人間関係は嫌だ」と思って、いつもの行きつけのバーに行きます。

 

バーに行くと、ママがいて、ママがひとこと喋ります。

すると、ママの肩のインコは「あー、来てくれたの、嬉しい。もう本当にね、最近あなたのおしゃべりを聞くのが楽しみになってきちゃって。さあ、今日何やったの?ちゃんと教えて」という風に言います。

 

主人公は「人生でこの時が一番楽しい」と言うのがオチになります。

 

 

ChatGPTなしでは人と会話できない

笑い話のように聞こえるかもしれませんが、私たちはこういう世界になりつつあります。

ChatGPTなしで、人と会話ができなくなります。シンプルにそうなっていきます。

 

コミュ力の優位性が無くなってくる

ChatGPTなしに人と話せなくなると言ったら怖いと思うかもしれませんが、逆です。

コミュ力(コミュニケーション能力)がある人間は社会において有利です。

人に話をする時に、話が上手いとなにごとも上手くいきやすいです。

しかし、この有利さがどんどん無くなっていきます。

 

技術によってあらゆるものが無意味化されていく

人類はこれまで、個人的に足が速いとか、力が強いとか、その生物としての強さというものが、新たな技術によって無意味化してきました。

次は家柄が良いとかそういうのも無意味化して、次は学歴が良いとかが無意味化して、財力があるとかになって来ます。

しかしそれもどんどん無意味化して、最後の方になると、学校でどれぐらい友達ができたかとか、コミュ力があるとかそういう風なものが重要になってきます。

 

コミュ力は現状もっとも重要なスキル

このように、どんどんと無意味化するものが増えて来て、その人間が持ってるスキルの中の、ほんのある一部分が社会で評価されるようになってきています。

今まさにコミュ力がとても重要になっています。

コミュ力があるかないかで、私たちの生きやすさにすごく差が出ています。

 

コミュ力が標準化する

ChatGPTが恐ろしいのは、これを「標準化」してしまうことです。

つまり、あらゆる人間がコミュ障になれる世界になるのです。

コミュ障になれるというのは、一人で家の中で暮らして誰とも話さなくても済むということではありません。

 

ChatGPT的なモノがあれば、自分の真意を相手に誤解なく、トラブルなく、分かりやすく伝えてくれるのです。

相手も、それに対してこちらを決して傷つけない言い方で答えてくれます。

そうなるとどうなるのでしょうか?

 

コミュ力も無意味化する

機械の発達で人間は「体力」を失います。

おそらく、画像生成AIがどんどん進化すると、絵を描ける人間はどんどん減っていきます。

絵を書きたいとか練習したいとか思わなくなってしまうからです。

 

アニメーションも同じです。

アニメーションを描くのは、みんな面倒くさいため、アニメを書きたいと思わなくなって来ます。

 

それと同じように、言葉も人に伝えたいと思わなくなっていく、というのがこの恐ろしい革命の行き着く先だと思います。

そういう未来がくると思います。

 

 

教育は本当に必要なのか?

ChatGPTでこの仕事が無くなるとか、ChatGPTがどのような教育に使えるとかニュースでやっています。

しかし、「ChatGPTを利用してどういった教育をするのか?」という発想ではなくて、「そもそも教育が必要かどうか」という状況になってきます。

ChatGPT的なものが進化していくと、教育もまた不要となる可能性があります。

 

そこまで考えると、この第三次革命、産業革命、パラダイムシフトは恐ろしいことだと思います。

 

 

まとめ

ChatGPTを含めたAI技術の進化と、私たちの生活の変化について岡田斗司夫氏は面白く語ってくれていました。

これから私たちの生活や価値観が、今まで以上に目まぐるしく変わっていく時代になるでしょう。

それに伴い、社会が評価するスキルも変化して、生活環境や教育のあり方にも影響が出てくると思います。

どうでもいいことですが、私は口頭で人に説明することがとても苦手なので、「肩の上の秘書」はマストアイテムだと思いました。

 

(参考資料:岡田斗司夫氏のYouTube→サイコパスの人生相談3月増刊号

※この記事の画像はすべて画像生成AIミッドジャーニー(Midjourney)を使用しています。